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言葉を磨くことは自分を磨くこと

  • 2016/04/19
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山岸千夏(ヤマギシ チカ)

中国遼寧省生まれの23歳。14歳に家族の事情で来日し、ゼロから日本語を覚え始める。来日から半年で地区中学生意見発表大会に出場し、優秀賞を受賞。その後2年間連続で入賞し、外国人として初めて表彰される。高校時代は県高校生英語スピーチコンテストにて入賞するなど、語学に励む日々を送る。2015年東京外国語大学を卒業後、現在はメディア会社にてウェブプロデューサーとして奮闘中。仕事の傍らに、自立×ライフデザイン、インバウンド×グローバリゼーションを軸に、人々が自分らしく多様性を受け入れる世界を目指して活動する。
HP: https://qianxia09.amebaownd.com/

多様性を認めるグローバルな社会作りに貢献したい

国境を越えて人と人、人とモノ、人と情報を繋ぎ、柔軟性を身に付けると、人生はより豊かになると思います。それぞれの国の良さを組み合わせることで、社会的にも相乗効果を生み出していけたらいいなと考えています。

言葉を磨くことは自分を磨くこと

中国遼寧省生まれの私が来日したのは14歳の時。子供でもなければ大人ともいえない思春期で、自分のアイデンティティに悩むこともありました。来日当初は日本語が話せなかったので、自分自身と会話をするように、よく考えた上で言葉にまとめるようにしていました。

自然と「言葉」を大切にするようになったこともあり、支えになった言葉や心に響く言葉を集めることは、長年に渡って続いている趣味でもあります。

中学校の時に意見発表大会や校内で表彰され、取材を受けた新聞記事

語学については今でも継続して勉強しています。語学はすぐに習得できるものではなく、日々の積み重ねですので、毎日少なくとも15分は時間を確保して、言語に触れるようにしています。

中国語を話す祖父母とは、毎週末にビデオ電話で近況を報告をするのですが、これも語学を磨くために役立っています。

いつも気にかけてくれる大切な祖父母

着物イベントの実施と「おせっかいジャパン」でのボランティア

現在の主な活動にはふたつの大きな柱があります。それは着物イベントの実施と、「おせっかいジャパン」でのボランティア活動です。

着物イベントを実施するようになったのは、日本の良さを多方面から発信するという目標を達成するために、世界に誇れる日本の伝統文化を学びたいと考えたのがきっかけでした。とはいえ、深い知識がなかったので、まずは「日本文化海外普及協会」主催のイベントに通訳兼スタッフとして参加し、着物を着て茶道などの日本文化を体験することから始めました。それからは、徐々に着物を着る機会も増え、知れば知るほど着物に魅了されました。

また、着物を着ると姿勢や佇まいだけでなく、着物の素材に込められた日本らしいモノづくりの心も学ぶことができ、とても価値のある尊いものだと感じています。こうした体験の中で出会った人々と一緒に、第1回目の在日外国人着物アンバサダーイベントも開催することができました。お陰様で大好評でした!

夢乃屋アンバサダーイベント

「おせっかいジャパン」に興味を持ったのは、大学で開催された学生団体の説明会で「おせっかいジャパン」の代表の方とお話をしたことがきっかけです。「おせっかいジャパン」とは、 月1回、黄色いユニフォームを着用した15〜30名程度で、都心の主要駅周辺や観光地を移動しながら「困っている外国人観光客」に積極的に声をかけ、その場で問題を解決してあげるボランティア団体です。

おせっかいは一期一会で、見知らぬ人に声を掛けることも声を掛けられることも、最初は勇気がいりますが、「ありがとう」と言ってもらえると「思い切って声をかけてよかったな!」と感じます。この様々な言語での「ありがとう」こそがこの活動の醍醐味だと思います。

このような活動風景が世界中に広がり、ヒトとヒトとの交流が深まり、相互理解の上に成り立っている「平和な地球」に近づきながら、国を越えた笑顔の輪が広がっていくことを願っています。

ドイツからいらした親子を道案内いたしました。

ほんの小さなきっかけが誰かにとっての喜びになり、それを発信することで喜びの輪が広がっていく

着物のアンバサダーイベントをやった時、浅草で着物を着て歩いただけで、海外からいらした観光客の方に「一緒に写真を撮りましょう」とお願いされたり、「どうやって着るの?私も着てみたい!」と声を掛けられ、そこからコミュニケーションが生まれ、プチ国際交流ができました。

一方で、参加者の方も日本国内に居ながら想像以上に国際的な経験をすることができたことに驚きながらも、「こんな機会を作ってくれてありがとう」と喜んでくれました。特に「これからは自分が感じた日本の良さをもっと伝えるようにしよう」と言ってくれたことがとても嬉しかったです。

ほんの少し勇気を出して声を掛けて、ちいさなお手伝いをしたら、良い旅の思い出になるとともに、日本のおもてなしを実感できて、日本が大好きになったという声をいただきました。この喜びはお金には換えられない大きな価値だと感じています。

 

編集部から一言

いつでも笑顔でとにかく行動をしてチャンスを掴む彼女のバイタリティは本当に凄いです。語学が堪能でスマートに
仕事をこなしながら、成長していく姿から学ぶ事が沢山あります。今後日本はインバウンド事業が盛んになる中、沢山のアイデンティティが混在して行きますが、彼女のような色んな視点から多くの方の気持ちを汲み取れる女性こそ活躍すること間違いなしです。

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