山岸千夏(ヤマギシ チカ)
中国遼寧省生まれの23歳。14歳に家族の事情で来日し、ゼロから日本語を覚え始める。来日から半年で地区中学生意見発表大会に出場し、優秀賞を受賞。その後2年間連続で入賞し、外国人として初めて表彰される。高校時代は県高校生英語スピーチコンテストにて入賞するなど、語学に励む日々を送る。2015年東京外国語大学を卒業後、現在はメディア会社にてウェブプロデューサーとして奮闘中。仕事の傍らに、自立×ライフデザイン、インバウンド×グローバリゼーションを軸に、人々が自分らしく多様性を受け入れる世界を目指して活動する。
HP: https://qianxia09.amebaownd.com/
多様性を認めるグローバルな社会作りに貢献したい
国境を越えて人と人、人とモノ、人と情報を繋ぎ、柔軟性を身に付けると、人生はより豊かになると思います。それぞれの国の良さを組み合わせることで、社会的にも相乗効果を生み出していけたらいいなと考えています。
言葉を磨くことは自分を磨くこと
中国遼寧省生まれの私が来日したのは14歳の時。子供でもなければ大人ともいえない思春期で、自分のアイデンティティに悩むこともありました。来日当初は日本語が話せなかったので、自分自身と会話をするように、よく考えた上で言葉にまとめるようにしていました。
自然と「言葉」を大切にするようになったこともあり、支えになった言葉や心に響く言葉を集めることは、長年に渡って続いている趣味でもあります。
中学校の時に意見発表大会や校内で表彰され、取材を受けた新聞記事
語学については今でも継続して勉強しています。語学はすぐに習得できるものではなく、日々の積み重ねですので、毎日少なくとも15分は時間を確保して、言語に触れるようにしています。
中国語を話す祖父母とは、毎週末にビデオ電話で近況を報告をするのですが、これも語学を磨くために役立っています。
いつも気にかけてくれる大切な祖父母
着物イベントの実施と「おせっかいジャパン」でのボランティア
現在の主な活動にはふたつの大きな柱があります。それは着物イベントの実施と、「おせっかいジャパン」でのボランティア活動です。
着物イベントを実施するようになったのは、日本の良さを多方面から発信するという目標を達成するために、世界に誇れる日本の伝統文化を学びたいと考えたのがきっかけでした。とはいえ、深い知識がなかったので、まずは「日本文化海外普及協会」主催のイベントに通訳兼スタッフとして参加し、着物を着て茶道などの日本文化を体験することから始めました。それからは、徐々に着物を着る機会も増え、知れば知るほど着物に魅了されました。
また、着物を着ると姿勢や佇まいだけでなく、着物の素材に込められた日本らしいモノづくりの心も学ぶことができ、とても価値のある尊いものだと感じています。こうした体験の中で出会った人々と一緒に、第1回目の在日外国人着物アンバサダーイベントも開催することができました。お陰様で大好評でした!
夢乃屋アンバサダーイベント
「おせっかいジャパン」に興味を持ったのは、大学で開催された学生団体の説明会で「おせっかいジャパン」の代表の方とお話をしたことがきっかけです。「おせっかいジャパン」とは、 月1回、黄色いユニフォームを着用した15〜30名程度で、都心の主要駅周辺や観光地を移動しながら「困っている外国人観光客」に積極的に声をかけ、その場で問題を解決してあげるボランティア団体です。
おせっかいは一期一会で、見知らぬ人に声を掛けることも声を掛けられることも、最初は勇気がいりますが、「ありがとう」と言ってもらえると「思い切って声をかけてよかったな!」と感じます。この様々な言語での「ありがとう」こそがこの活動の醍醐味だと思います。
このような活動風景が世界中に広がり、ヒトとヒトとの交流が深まり、相互理解の上に成り立っている「平和な地球」に近づきながら、国を越えた笑顔の輪が広がっていくことを願っています。
ドイツからいらした親子を道案内いたしました。
ほんの小さなきっかけが誰かにとっての喜びになり、それを発信することで喜びの輪が広がっていく
着物のアンバサダーイベントをやった時、浅草で着物を着て歩いただけで、海外からいらした観光客の方に「一緒に写真を撮りましょう」とお願いされたり、「どうやって着るの?私も着てみたい!」と声を掛けられ、そこからコミュニケーションが生まれ、プチ国際交流ができました。
一方で、参加者の方も日本国内に居ながら想像以上に国際的な経験をすることができたことに驚きながらも、「こんな機会を作ってくれてありがとう」と喜んでくれました。特に「これからは自分が感じた日本の良さをもっと伝えるようにしよう」と言ってくれたことがとても嬉しかったです。
ほんの少し勇気を出して声を掛けて、ちいさなお手伝いをしたら、良い旅の思い出になるとともに、日本のおもてなしを実感できて、日本が大好きになったという声をいただきました。この喜びはお金には換えられない大きな価値だと感じています。
編集部から一言
いつでも笑顔でとにかく行動をしてチャンスを掴む彼女のバイタリティは本当に凄いです。語学が堪能でスマートに
仕事をこなしながら、成長していく姿から学ぶ事が沢山あります。今後日本はインバウンド事業が盛んになる中、沢山のアイデンティティが混在して行きますが、彼女のような色んな視点から多くの方の気持ちを汲み取れる女性こそ活躍すること間違いなしです。
関連する記事
まだ知られていない日本の魅力を、世界に全力で伝えていきたい
株式会社ビースポーク 代表取締役 綱川 明美(つながわ あけみ) 神奈川県出身 現在、東京都港区在住 カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) 2009年卒。 豪系投資銀行で機関投資家向け日本株営業、デロイトで国内…
好きなことをすることが関わった人をハッピーにする!
山本宝(やまもとたから) ROUGH LABO代表 出身県:兵庫県神戸市 住まい:大阪 平成2年7月1日生まれ(現在27歳) 関西学院大学 人間福祉学部人間学科卒業。 株式会社クイック →キャリアコンサルタントとして2年…
着物で日本文化の魅力を広げて世界とつながる
平田 紗弓(ヒラタ サユミ) 株式会社サクラウンジャパン 代表取締役 東京都出身 大学卒業後、大手銀行入社。5年間法人営業を担当し、大企業の不動産や財務に関するソリューション型提案を行う。担当した案件で役員…
離婚しても親はふたりを当たり前の社会にしていきたい。
しばはし聡子 一般社団法人りむすび代表 共同養育コンサルタント NPO法人日本家族問題相談連盟認定 離婚夫婦問題カウンセラー URL:http://www.rimusubi.com 慶応義塾大学法学部法律学科卒業 卒業後…
ハワイの叡智を通して女性の輝けるコツを伝える
本田貴子(ホンダタカコ) Mrs.Universe Japanグランプリ,アナウンサー、講師 福岡県出身、東京都世田谷区在住 HP: http://www.kyokuana.net/profile.html?id=2…
目の前の人の心を温められる仕事をしたい
植村香菜(ウエムラ カナ) 銀座英國屋・アドバイザー 東京都在住 現在の活動内容を教えて下さい。 銀座英國屋のアドバイザーをしています。お客様のご要望を伺い生地やデザインをご提案。その後の仮縫いや納品の過程もお立ち会い…
日本の文化を守りながら女性の魅力を引き出していきたい。
鈴木友美(すすぎ ともみ) 株式会社BD 代表取締役 HP : https://www.zero-tiba.com/ 仙台出身/千葉在住 幼い頃から美容や芸術に興味があり、元々独立願望もあったことから、学校卒業後水商売を…
愛されマナーを通して、幸せになる方法を伝える
桑野麻衣 (クワノマイ) 愛されマナー美人アカデミー主宰/愛されマナー講師 埼玉県出身 マナー×イメージコンサルティング×コーチングを用いたオリジナルメソッドを用い、現在フリーランスのマナー講師として企業研修、各種セミナ…
皆それぞれ違っていい、誰もが輝けることを伝えたい。
岡野 幸代(おかの ゆきよ) 株式会社Aute24 代表取締役 幼少期は劇団ひまわり選抜クラスに所属し子役として活動、ステージに立つ喜びを覚える。中学校では演劇部の部長、主演として、全国大会出場。個人演技賞を受賞。大学と…
食の大切さを伝えて心身共に豊かな人を増やしていきたい
安田紬李 やすだ ゆり 株式会社リリーアンバー代表取締役兼/予防医学アドバイザー 活動:経営・ライター・作家(レシピ本等)・講師等 出身県:東京都 住まい県:非公開 難病をもち生まれたことがきっかけで食の大切さと現代の食…
海外へ行く一歩や「自分の好き」を探して欲しい
鳴井 舞(ナルイ マイ) 青森県出身 マレーシア・クアラルンプール在住 AsiaQuest Internet Malaysia Sdn.Bhd. Sales Manager カリフォルニア州立フレズノ大学を…
世界に日本文化の魅力を「料理」を通して伝える
土屋 友美(ツチヤ ユミ) 管理栄養士/料理研究家/非常勤講師/スポーツ栄養士 愛知県出身 大学院修士課程卒業。大学で人は食べ物から体を作り、胎児期の栄養はその後の人の一生に影響を与えること、栄養素が遺伝子の調節にも関与…